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ビジネスカジュアル用にシャツを選ぶとしたら、どのように選べばよいのでしょうか?
ビジネスシーンにおける“カジュアル化”が進む中で、ビジネスカジュアル(=ビジカジ)がOKという企業も多くなってきました。
カジュアルという言葉があるものの、ビジネスの場ではあるし、シャツを着るにも一体どこまで崩して良いのか判断が難しいところです。
今回は、ビジネスカジュアルにおけるシャツをどのように選び、コーディネートすれば良いのか?を男性専門パーソナルスタイリストがご紹介します!
きっとこれで職場でも自信が持てること間違いなしです!
ビジネスカジュアル用に最適なシャツを選び、着こなすためには?
まずはビジネスカジュアル用のシャツの選ぶ際のポイントですが、カジュアルに特化したものではなく、でもイメージが堅過ぎないものを選びましょう。
念のため、皆さんの職場のドレスコード(=服装規定)を確認しておいてください。それによって許容範囲は変わってきます。
ビジネスカジュアル用のシャツ選びのポイントは4点あります。
① ネクタイ無し(ノーネクタイ)で着る際に綺麗に見える襟型
② 色・柄をどうするか?
③ 素材、生地についての考え方?
④ ジャストサイズなサイズ感であること
となります。
それぞれ解説していきましょう。
ネクタイ無しでもサマになる襟型を選ぼう
襟型を変えることで表情が変わりますが、ネクタイ無し(ノーネクタイ)で着る際に襟元が綺麗に見える襟型で選ぶことが重要です。
ビジネスカジュアルであればノーネクタイOKという環境が多いと思いますので、台衿(だいえり)と呼ばれる一番上のボタンを外してシャツを着た際に、だらしなく見られないように、上品さが演出出来る襟型があるのでそれを選びましょう。
そのためには、襟の高さがある襟型を選ぶと良いです。
また、ボタンダウンやスナップボタンのように襟の裏でパチっと留めるボタンがあるので、襟先を留めておくことで襟がヒラヒラせずに美しく保たれ、上品な印象を醸し出すことが出来ます。
【ボタンダウン】
【スナップダウン】
それでは、私たちパーソナルスタイリストがオススメ出来る襟型をご紹介します。
・ワイドカラー
ビジネスカジュアルでもネクタイを付けることが多い方にオススメすることが多い衿型です。衿が程良く広がるのでネクタイとのバランスも取りやすく、エリ先がきれいに開くことで立体的に見え、ノーネクタイでも綺麗な襟元になります。
・ホリゾンタルワイド
文字通り、水平線を意味します。衿の開きがほぼ水平線のようにまっすぐに見えるところからその名前になっています。ワイドカラー以上に衿の開きがあり綺麗に見えます。ネクタイを締めながら、少し衿元を主張させたい時などに最適です。
・カッタウェイ
ワイドやホリゾンタルよりもさらに開く角度が大きいイタリアンカラーの代表格で、日本でも最近多く見られるようになりました。
ホリゾンタル以上に開きがあり、ネクタイを締める場合は不向きですが、カジュアルシャツ用に使われていることが多く、ノーネクタイで男性らしく凛々しい表情が作れるのでおすすめです。
・ドゥエボットーニ
台衿部分に2つのボタンが付いています。イタリア語でドゥエ(2つの)ボットーニ(ボタン)です。
ボタンが二つ付いているだけあって、襟の高さが出ます。
こちらもノーネクタイでいることが多い方にオススメの襟型です。
番外編:クレリック
クレリックは襟型ではありませんが、襟やカフスが身頃と生地の色が異なるものを言います。
ブルー系の身頃に白のカフスと襟というのが一般的ですが、こちらもちょっとした襟元のアクセントが出しやすく、ネクタイも付けることが出来る襟型でビジネスシャツとしても使えます。
無地でもOK!その上で色や柄も上手に選ぼう
シャツの色や柄についてですが、基本的には無地でも全く問題ありません。ビジネスカジュアルとはいえど、やはりビジネス用ではありますので、色は赤や黄色などあまりカジュアルっぽい色だと派手な印象になります。白や水色、薄いピンクやラベンダーなどのような明るく爽やかな色の方が合わせやすくおすすめです。
【シャツ 白】
【シャツ 水色】
【シャツ 淡いピンク】
また、黒や紺などの濃色のような濃い色のシャツもあり、決してNGではないのですが、ビジネスの場用としては若干高圧的な印象になるので強くはおすすめしていません。
無地のみでも十分OKですが、物足りないという方にとっては、柄物を使ってバリエーションを増やしていくのが1つの方法です。
【ロンドンストライプ】
同じ太さの2色の線が交互に等間隔に並ぶストライプ。ビジネス用のシャツにも使われるくらいシャツの定番柄と言えます。無地よりはカジュアルな雰囲気が出せます。
勿論、ネクタイをすることも出来ます。
【ピンストライプ】
こちらも縦縞ストライプですが、ピンで打って作られた細い線ということでピンストライプ、または鉛筆で書いたような線ということでペンシルストライプが細いストライプとしては定番です。
ロンドンストライプよりは派手さが軽減出来ますので、柄の入門編としてオススメです。
【グラフチェック(ウィンドウペーン)】
方眼紙の目盛りのように見えるグラフチェックや、窓枠のようなウィンドウペーンは、縦線だけではなく、横線も入るのでストライプよりもカジュアルな印象になります。
【タッターソールチェック】
タッターソールチェックは、グラフチェックの一種ですが、2色で構成されている柄なので、よりカジュアルな印象になります。
【ギンガムチェック】
ロンドンストライプに、横線もプラスされたようなチェック柄。ご紹介した中では最もカジュアルな印象と言えます。
素材は綿100%がおすすめ!差別化できる生地の選び方
素材は綿100%がオススメです。さらには厚みがある生地を選ぶと見た目にも高級感が漂うので良いでしょう。
価格が安いシャツにはポリエステルやナイロンといった合成繊維が使われております。軽くて通気性や吸汗性といった機能性に長けているので男性には重宝されますが、生地の厚みが出づらく、チープな見た目になるので、イメージアップを図るのであればオススメではありません。
また、生地の織り組織によって印象が変わってきます。
無地だと遠目には生地の組織までは伝わりにくいかもしれませんが、わかっていると選ぶ際に判断材料になります。生地の組織でオススメをご紹介します。
【オックスフォード】
オックスフォードはアメカジやアメリカントラッドから生まれたもので、カジュアル用のボタンダウンシャツによく用いられる生地組織です。カジュアルな印象を持つ方もいると思いますが、それであるが故にビジカジにも愛称が良いと言えます。
【ツィル】
斜めに細かい畝(うね)のように見える織り組織。生地の厚みが出て柔らかくしなやかな素材感で光沢が出る組織で高級感が出ます。
【ヘリンボーン】
魚の「ニシンの骨」という意味です。文字通りで縦に魚の骨の並びのように見える織り組織です。こちらも生地の厚みが出て、表面の凹凸によって光沢感が出やすく高級感が漂います。
また、シャツに使われる素材には夏用の麻や光沢のあるシルクやレーヨン、冬用だとウールやネルといった季節素材もありますので、季節によって使い分けが出来るとオシャレに意識がある印象を演出出来ます。
【シャツ生地 麻(夏用)】
【シャツ生地 ネル(冬用)】
サイズ感は細身に見えるジャストサイズでスッキリと
シャツを選ぶ際にはサイズ感が見た目を左右するのでとても重要です。
サイズはやり過ぎない程度の細身が望ましいのですが、あなたにとってのジャストサイズであることが条件となります。
男性は快適さを求めて、ついサイズ感がオーバーサイズになりやすいのですが、必要以上にゆとりが大きいと野暮ったく見えてしまいます。逆に細過ぎても無理があるように見えてしまいます。
シャツのサイズ感について細かいポイントはこの後の章でご紹介します。
ビジネスカジュアルで選ぶシャツのサイズの選び方、徹底ガイド
シャツをジャストサイズで選ぶためには、いくつかの指標はありますが、中でも特に「胸回り」と「ウェスト回り」の2か所がポイントとなります。サイズ選びのポイントについて、以下で解説します。
身幅について(ネック、肩、バスト(チェスト)、ウェスト)
まずは身幅です。ポイントは4点ほどあります。
① ネック(首周り) :喉ぼとけの下あたり
② バスト(チェスト) :バストトップかやや上、胸回りの一番幅の広い位置の周囲
③ ウェスト :おへそ付近の胴回り
④ 手首周り :手首のくるぶし(骨が出ているところ)を通る周囲
以上の4点です。ちなみに肩幅も把握出来れば良いですが、シャツの既製品では一般的には首回りと裄丈で選ぶことが多いので、裄丈が合っていれば肩はそれほどズレることはないでしょう。
以上の箇所を測って自分の実寸を知った上で、シャツにおける適正なゆとり量のものを選んでいきます。
ジャストサイズの定義としては、
ネック:実寸+2~3cm(指が1本収まるくらい)
バスト:実寸+15cm前後
ウェスト:実寸+10~12cm程度
手首周り:手を下した時に手の平を覆ってしまっていないか
肩:肩口の縫い目が肩先から極端に落ちてないか
以上が身幅を選ぶ際の目安となります。
このくらいであれば、極端に細くなく、締め付けがない程度に細身に映ります。
逆に大きいと
このように、オーバーサイズだと、見た目にも野暮ったくなってしまいます。
フィット感は多少個人で感じ方も異なりますが、見た目を良くする目的で着こなす上では参考にしてください。
長さについて(裄丈、着丈)
続いて長さについてです。裄丈と着丈をチェックしてください。
裄丈(裄、ゆきたけ)は、手を下した状態で、首の後ろの付け根中心から肩先を経由して、手首のくるぶしの中心を通りその麓までの長さです。
このくらいの見え方であれば良いでしょう。
また、着丈は首の後ろ付け根中心からまっすぐ下して裾先までの長さです。
着丈は、パンツの中に裾をインする(入れる)着方の場合は長い方が良いです。短いとパンツにインした時にかがんだりすると裾が出てきやすくなります。
逆に、よりカジュアルな印象で着る際に、シャツの裾をズボンから出して着る着方もあります。そのようにカジュアル用で裾を出して着る場合は逆に着丈が長いと野暮ったくなりますので、短くする必要があります。
これらがシャツをジャストサイズで着る上での定義となります。
ビジネスカジュアルでシャツを使ったコーディネート
パンツはウールスラックスかチノパンがおすすめ
合わせるパンツはカチッとさせるならウールスラックス、カジュアル感を出すなら綿のチノパンがビジネスカジュアルとしてはおすすめです。
【チノパン コーディネート】
写真はジーンズですが、シャツの裾をパンツから出して着ると大分カジュアルな印象になります。
【スラックス コーディネート】
ウールスラックスはビジネスっぽいカチッとした印象になります。
ビジネスでは定番のジャケットを合わせたイメージ
ビジネスでは定番のジャケットを合わせることも考えられるとよいですね。
合わせ方は、ジャケットが柄であればシャツは無地にする、逆にシャツを柄にする場合はジャケットは無地にするとしつこい感じになりません。
【ジャケット コーディネート】
シューズはレザーが断然おすすめ
足元はシャツから距離が遠いように思えますが、全体のバランス感は大事なので気を遣いたいです。
ビジネスカジュアルではカッチリ見える革靴や、少し崩すのであればレザーのスニーカーがおすすめです。
【革靴】
【レザースニーカー】
春先や秋冬でのコーディネート
春先や秋冬で寒い時期には、シャツの上にセーターを着る方法があります。
Vネックや丸首、また前開きで脱ぎ着がしやすいカーディガンなどがあります。
少しおしゃれ感を演出するサポート役でもあります。
【セーター、カーディガン コーディネート】
ビジネスカジュアルではシャツのインナーにも気を遣おう
日本は高温多湿が気候で汗をかきやすいのと、透け感に寛容ではないため、日本人男性はシャツの中にインナーを着る方ほとんどです。そこで、インナーの注意点について説明しましょう。
襟元からインナーが出ているのはだらしなく見えて野暮ったい印象となるので避けておきましょう。
VやUネックなど襟の深いもので、シャツの隙間から下着が見えないようにしてください。
また、薄く淡い色目のシャツを着た際にもインナーが極力透けないことをオススメします。白の下着も結構透けて見えてしまうということがあり、最近では肌色のインナーも店頭に増えてきました。
まとめ
今回はビジネスカジュアルにおけるシャツについて、どのようなものにしたら良いのか?合わせ方までをご紹介しました。
襟型や色柄、素材感に着目し、ジャストに見えるサイズ感にすることで見た目も良くなります。また合わせるアイテムのポイントやコーディネート方法もご紹介しました。
TPOに応じてビジネスカジュアルもシャツで対応出来るとオシャレな印象になります。
是非とも参考にしてください。